十一面サンタの仏像ばなし

大好きな仏像の魅力を、独断と偏見で書き綴ります。

トーハク!(東京国立博物館1)

今回は仏像の話ではありません。
天下の東京国立博物館、略して"トーハク"に初見参してきました。

まあ田舎者なので、トーハクのある上野公園には行ったことがなく、
一歩踏み入るや、なんだこのお祭り騒ぎは、と驚きました。

万博のパビリオンかと思ってしまうくらいに、
文化館、科学館、美術館、博物館、果ては動物園まで、
日本文化が大集結しています。

しかし当日はあいにく、春を告げる大雨のお天気。
感慨に耽る余裕もなく、豪雨の中を一目散にトーハクへ…
一週間ほど上野公園に住んでみたくなりました。

さて、東京国立博物館
ここだけで奈良公園がスッポリ入ってしまうのではないかと思うくらいに広大な敷地に、7館もの展示場が建ち並んでいます。

そこには日本の歴史と文化が詰まっていました。

あまりの広さに、ペース配分が困ります。
仏像以外のものは適当に流すつもりだったんですが、
いきなり縄文時代火焔土器土偶にハマってしまって、かなり焦りました。

奈良の博物館のように、ある一部の地域やテーマに限定しているのではなく、広く浅くを貫いています。

しかもその広さといえば、
土器、仏像、教典、鎧甲、刀、骨董、絵画、大衆文化など、
あまねくジャンルの文化財に及び、
浅くはあれど、的確にポイントをついた展示をしています。

例えば、仏像に関していうと、
三十三間堂の千手観音像のうちの三躯が展示されているんですが、それぞれ、
保守派の院派
革新派の慶派
その中間の円派
の仏師の作品を選んで違いを解説しています。

また、一品一品が展示スペースを贅沢に使っているので、
他の品が視界に入りにくく、その作品世界に没頭できます。

「撮影禁止」のマークがあるもの以外は、自由に写真を撮れるのもビックリ。
奈良では考えられないことです。

瞬く間にリミットの4時間が過ぎ去りました。
7館のうち2館が改装中で閉館、
特別展もなかったのが、不幸中の幸いといえば幸い。
なんとか駆け足ではあるものの一巡することはできました。

テーマを決めて観るのなら、2時間もあれば十分回れると思いますが、
すべてをじっくり楽しむには、最低半日は必要と心得ました。
リベンジ決定。

あるジャンルにおいて、何を見ていいかわからなければ、
とりあえずトーハクに行ってみましょう。
あえてキャッチコピーを与えるならば、

「日本人の、見るべきものがここにある」

東京国立博物館
 開館時間 AM9:30〜PM17:00(入館は16:30まで・イベントによって変更あり)
 入館料 600円
 駐車場なし


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