十一面サンタの仏像ばなし

大好きな仏像の魅力を、独断と偏見で書き綴ります。

2011-01-01から1年間の記事一覧

平安セレブ堂 Part2(蓮華王院三十三間堂)

本格的な京都見仏。 予告どおりセレブ寺院を頭に持ってきました。 「蓮華王院」。 通称、「三十三間堂」です。兄の崇徳天皇にして「能もなく芸もなし」、源頼朝にして「日本国第一の大天狗」と酷評させた、天下のダメおやじ、後白河上皇の創建。その場しのぎの当てずっぽう政治の…

阿弥陀仏vsご先祖!

日本の仏壇に祀られる仏像のナンバー1は阿弥陀如来です。そして信心深い人は、毎日仏壇に手を合わせます。でもよく見てると、みんなが手を合わせているのは阿弥陀さんにではなくて、ご先祖さんになんです。 「おはよう、おばあちゃん…」なんて話しかけたりし…

「ブッシメン!-THE IMAGE MAKER-」/小野洋一郎・著 【講談社】

ブッシメン!THE IMAGE MAKER(1) (イブニングKC)2010年11月から『イブニング』という雑誌に連載中の漫画のコミック本です。 仏師、つまり仏像の彫刻師が主人公の珍しい作品。メジャー誌で連載するとは実に思い切ったものです。第1回目で書いたように、ぼくは仏像をフィギ…

ワク!ドキ! 御朱印集め

前回の続き。御朱印は一種のくじ引き的要素を孕んでいます。 手渡されるまで、どんなものが出てくるかの分かりません。文言もデザインも体裁も、チョーカッコイー御朱印は特等、子供が書いた方がまだましなザンネン字でテキトーに書いてるものは末等、もしく…

御朱印の現状

御朱印を知らない人のために、ぼくが好きな東大寺二月堂のものを掲載。 「 観 音 力 」 力がみなぎってきます。 これは「御朱印」といって、通常、神社仏閣で300円払えばもらえます。 「御朱印帳」は、大きなお寺や文房具店、または通販サイトで売ってます。書…

平安セレブ堂(平等院鳳凰堂2)

◉巨額を投じたエンターテイメント大作前回のつづき。東寺もそうでしたが、有力者が贅の限りを尽くした仏像や堂宇。鳳凰堂もそっち系です。 その中でも、このお寺は特にセレブの遊び心が満載です。鳳凰堂はかつて、藤原氏の別荘だったのですが、 別荘をレゴブロック感覚で…

平等院 雑感(平等院鳳凰堂1)

京都・平等院に行ってきました。台風の名残で終日雨模様の日曜日、 休日とはいえ、そんなにお客もいないだろうからゆっくり参拝しようと思っていたのですが、行ってみるとそこそこの混雑具合。 大勢の人たちが、大雨の中、写真を撮っておられます。(ぼくも) 平安寺…

トルソー! トルソー!! トルソー!!!(松尾寺・千手観音残闕)

仏像の魂ここにありと叫びたくなるような、すごい仏像を見ました。奈良・松尾寺の"焼損仏像残闕"(要するに焼け残り) 通称 千手観音トルソー(画像) です。松尾寺のホームページで写真を見て、何だか珍しいものが見られるらしいと、キワモノ感覚で、あまり…

仏教・路線変更の功罪

◉仏教の暴走 現在の商業映画などにも見られる現象ですが、原作者の手を離れた人気作品は、一気にその意図とは違う方向に進んでいきます。原作者の名前で話題性を募り、内容は大衆に迎合させ、他会社との売上げ競争が優先されます。そしてあまりに内容軽視な…

お釈迦様の遺志

◉弟子たちの反乱(?)お釈迦様は生前、偶像崇拝を認めなかったそうです。一見、厳しい戒律か何かに思いますが、よく考えると、その偶像が自分の彫像だったとしたら、それを拝ませるなんて、芸能人か、よほどのナルシストでない限りイヤだと思います。仮に、ぼ…

仏像の見方

◉国宝にしてほしかったら…ある仏像を見に行ったとき、国宝に指定されてもおかしくない貴重な仏像が、重要文化財のままだったので、管理人の方に尋ねたら、 「国宝にしたらガラス張りの中に置かないといけないと聞いたので、断ったんです」 とのこと。 その仏…

「古寺めぐりの仏教常識」/佐伯快勝・著【朱鷺書房】

古寺めぐりの仏教常識(amazonサイトへ)筆者は京都の御住職の方です。 つまり、現役のお坊さんが教示する、「正しい見仏の仕方」の本です。何を以て見仏とするかは、見る者の立場により自由だと思うのですが、 仏像は元来お坊さんのものなのだし、お坊さんが主張…

「ほとけの履歴書〜奈良の仏像と日本のこころ〜」/籔内佐斗司・著【NHK出版生活人新書】

ほとけの履歴書―奈良の仏像と日本のこころ (生活人新書) 寒すぎて体が動きません。 オコタから一歩たりとも不動明王。 どうせなら火炎光背でも背負って暖まりたい。見仏は春までお預けかなと開き直って、本ばかり読んでます。さて、この本も入門書なのですが…

「仏像にインタビュー」/宮澤やすみ・著【実業之日本社】

仏像にインタビュー昨年、NHKの「熱中スタジアム」でも、ちらっと紹介されていたので、ご存じの方もいるかもしれません。コラムニストで仏像好きの宮澤さん、見仏趣味が高じてコミック版解説書を出してしまいました。ぼくが買った当時は、本屋さんの片隅の、梯子に…

「図解・仏像のすべて」/花山勝友・著【光文社知恵の森文庫】

図解 仏像のすべて (光文社文庫)ぼくが見仏道に入ったとき、最初に購入した本で、見仏の基本中の基本が書かれてあるお薦めの入門書です。如来・菩薩・明王・天部の種類、それぞれの意味、特徴、役割、見分け方など、必要最小限の内容が網羅されてます。 ○お地蔵さんはあ…

深みに嵌りすぎて…

ぼくの性格的な問題で、最近、見仏が疎かになってきています。見仏歴が浅いにも関わらず、すぐに本線から脱線してしまうのです。 純粋に仏像だけに浸るということができないみたいでして。まず最初、気になって仕方がなかった、如来、菩薩、明王、天部の違いを調べまし…