RPG的 密教入門
日記の更新もせずぼーっとしてる間に、年が明けて早や2月。
自分を諌めて、雪の高野山に初見参、初見仏してきました。
高野山といえば密教、真言宗。
比叡山と並び、日本の密教の原点にして総本山です。
仏像を楽しむのに、密教ほど最適な宗派はありません。
密教って怪しい響きですが、とっつきやすくRPG風に説明させていただくと、呪文とかアイテムとかを駆使して、不思議な力を手に入れていく宗派です。
戦う相手は、人間の俗な心。
そして最終目的は、自分自身が仏になることです。
正確に言うと仏になるのではなく、真言宗曰く、私たちは生まれた時からすでに仏なんだそうです。
俗と欲にまみれた肉体と精神が自身を覆い、まだ埋れている仏が覚醒していないだけ。
大抵の人は覚醒しないまま生涯を終えてしまいます。
その、まとわりついている余分なものを消し去って、本来の仏の姿に還ろうではないかという、いわゆる即身成仏を真言宗は目指しています。
そのためにはお釈迦さんが説く、幸せに生きるための方法論だけではだめで、ましてや南無阿弥陀仏と念じるだけでよしとするような生ぬるいものでは絶対に成し遂げられないのです。
密教では大日如来をはじめとする、いろんな種類の仏や神の力をお借りします。
RPGでいうと「召喚魔法」。
イメージとしてはそんな感じでしょうか。
仏像を前にして、法具を揃えて護摩壇に火を炊いて、ナウマクサマンダバサラダン…など、召喚の呪文を唱えます。
ちなみにこれは、不動明王を召喚する呪文の一部です。
この呪文を密教では真言(マントラ)といい、真言宗の名前はここからきています。
煩悩というモンスターを倒して経験値やレベルを上げていき、時には仏の力で人を救い、さまざまな修行を極め、MAXレベルまで達したものだけが、最強のスキル、即身成仏を成し得ることができるのです。
レベルを上げる方法としてはいろいろありますが、例えば真言宗でいうと、
瞑想したり、氷点下の朝に毎日冷水を浴びたり、
床にひれ伏す-立つといった動作を108回繰り返す、五体投地という荒業を行ったり、などなど。
なぜこれで即身成仏ができたり、仏が召喚できたりするのか、言葉では説明できません。
愚直に修行を続けて、自分で体得するしかないんです。
しかしながら、素人が手を出して、やり方を間違えると、命さえ危険な場合だってあります。
だから一般人にはおいそれと教えられない秘密仏教、略して密教というわけなんです。
次回は召喚する仏たちについてです。
〜つづく〜